「ラクそうだし、僕は賛成かな」 驚きつつも声のした方を振り返ると、勉強一筋です、と言わんばかりのメガネをかけた男が居た。 「えっと――野々宮君、ありがとう」 一瞬苗字を忘れかけてしまった。 ――もちろん正直下の名前までは覚えてない。