「あの、これ……」 山下さんが差し出してきたのは、和紙で作られたしおりだった。 「何?」 「日向さんから、渡して欲しいって頼まれていたんです」 受け取って引っくり返すと、押し花があった。 「なんの花?」 「ギンモクセイっていう素敵なお花ですよ」 「ふーん? ありがと」