「答えないの? ねぇ、ひよのゴム奪ったの、誰?」 「……あ、あきらくん」 誰かがボソッと告げ口をした――その瞬間、物凄い音と共にリーダー格の男の子が床に倒れ込んだ。 「きゃぁぁぁぁっ!!」 「うわぁぁ!」 何が起きたのか、すぐに理解は出来なかった。 でも、でも……ひなが男の子に馬乗りになって、何度も何度も殴っていたのだけは見えた。 こういう時って、どうして変に冷静になれるんだろう? ひなを止める事無く、ただ、じっと見ていた。