そんなことを考えていた日だった。

たまたまひろを見つけたのは。



「なあ、悪い。

ちょっと俺、行ってくる」


「はっ!?どこに?」


「いや、ちょっと」


「昼飯はどーすんだよ!?」


「…いらねーや」


慎太郎も純も健も不思議そうな顔で俺を見ていたがその視線を振り払って教室を飛び出した。



そして渡り廊下を渡って、階段を駆け上がる。

最上階の奥のドアを静かに開けた。



「…やっぱり」


本当は遠くて本当にひろなのか自信はなかったけど、

でもそこにいたのは間違いなく、ひろ本人だった。


さすが俺。

ひろを察知する能力は衰えていない。



「…ひーろ!

こんなとこで何してんの?」