それから日は経ち、もう秋から冬へと季節は変わろうとしていた。

季節は変わっても、俺とひろの関係は相変わらずで。

キョンちゃんはそんな俺たちを見ているのがイヤらしくすれ違うたびに


「なんか進展あった?」

と、嫌味ったらしく聞いてきた。


そんな中、ある日、こんなことを言ってきたヤツがいた。



「俊輔、別れた!」


そう言ったのはご存じ、慎太郎。


「え?別れたって美帆ちゃんと?」


「美帆以外に誰がいるんだよ?」


いや、それもそうなんだけど。

でも、あまりに突然だったから。


っていうかお前、まだ付き合ってたのか?!

学年の中じゃお前と響ちゃんのあまりの仲の良さに付き合ってるんじゃないか、なんてウワサがあるっていうのに。


「なんて言ってフったんだよ?」


「いや、俺がフラれた」


「はあ?」


なんでお前がフラれるんだよ?

別れ話を持ち出したのはお前じゃないのか?



「美帆にケータイ見られてさ。

んで、誰この響って!

って言われちゃって。


んであんた浮気してたのね、サイテイ!っつってフラれた」


「…バカだな、お前ってホント」


呆れるよ。

ケータイ見られるとか、

フラれたくせに全然ダメージ受けてないところとか。


そこまで来ると

正直、尊敬に値すると俺は思うよ。