「私も忍に何もしてあげられなかった。……お願いします」 母さんは逃げたから…母さんなりに姉ちゃんを愛しているからこそ、なのだろう。 ――なら、問題は俺だ。 ずっとずっと扉の鍵を隠しているのは俺。 「琴さん俺と話そうよ」 記憶の扉は開かずの扉。 なぜなら俺が姉ちゃんを好きな気持ちがそうさせる。 どうしよう。 本当に俺は幸せになれるのだろうか。あるいは後悔するのだろうか。 子供のままでいるのか、大人の真似をするのか。 ――結城を部屋に入れた。