「どうしよう、なつ? 傘無いよ」 「困ったな。じゃあ、そこのコンビニ行って買ってくるから待ってて」 えりを一人バス停に残し、上着で頭を覆い被せ、小走りでコンビニへと向かった。 えりと僕の分で、傘を二本購入しようとレジへ駆ける。 「合計千円になります」 快く財布からお金を出そうとするが、お札が見当たらない。 ゲッ……。 小銭袋の厚みもなく、中には五百円玉が一枚。 仕方ない。一本にしよう。 「すみません。やっぱ一本で……」