手紙を恐る恐る開く。
『愛する涼香へ。
涼香。
涼香がこの手紙を読むということは
僕はもうこの世には居ない、
ということになります。
本当は、こんな手紙
書かなくていいなら書きたくなくて。
でも、今までずっと一緒に居てくれた
大切な存在だから
愛してるから、書くことにする。
両親が死んで、涼香が僕と生活を始めた頃
僕にはもう既に病気が見つかっていて
ずっと入院を薦められてた。
だけど涼香を一人にしておきたくなくて
無理して働いてたんだ。
今思うと、馬鹿だよな自分って思う。
お金貯めて、涼香に楽させてあげたかった。
涼香もバイトしてたと思うけど
それは好きなことに使ってほしかった。
でも、結局倒れて病院に行って
もう手遅れだって知ったとき
僕は素直に涼香の元を離れようって
決意したんだ。
決断するのに一週間かかったよ。
僕が涼香のそばにいると、
涼香に迷惑がかかるんだって
そう思い込んで、叔父さんに相談して
会社も辞めて、どこか遠くの町に
ひっそり暮らそうって
不動産片っ端からあたって
今の家見つけて、そしたら
涼香にバレて…
君との一つ一つの思い出が
今この手紙を書きながら
頭の中に浮かんでくる。
くだらない喧嘩もいっぱいしたし
楽しかった日々も、全部覚えてる。
忘れたくない。忘れられない。
僕が死んだら、
この手紙を高岡君に託すつもりだ。
あと、僕の部屋の机の引き出しに
涼香へのプレゼントを用意してあるから
受け取ってほしい。
愛する涼香へ。
藤村涼太』
あたしは手紙を読み終わった後
涼ちゃんの部屋へ向かった。
『愛する涼香へ。
涼香。
涼香がこの手紙を読むということは
僕はもうこの世には居ない、
ということになります。
本当は、こんな手紙
書かなくていいなら書きたくなくて。
でも、今までずっと一緒に居てくれた
大切な存在だから
愛してるから、書くことにする。
両親が死んで、涼香が僕と生活を始めた頃
僕にはもう既に病気が見つかっていて
ずっと入院を薦められてた。
だけど涼香を一人にしておきたくなくて
無理して働いてたんだ。
今思うと、馬鹿だよな自分って思う。
お金貯めて、涼香に楽させてあげたかった。
涼香もバイトしてたと思うけど
それは好きなことに使ってほしかった。
でも、結局倒れて病院に行って
もう手遅れだって知ったとき
僕は素直に涼香の元を離れようって
決意したんだ。
決断するのに一週間かかったよ。
僕が涼香のそばにいると、
涼香に迷惑がかかるんだって
そう思い込んで、叔父さんに相談して
会社も辞めて、どこか遠くの町に
ひっそり暮らそうって
不動産片っ端からあたって
今の家見つけて、そしたら
涼香にバレて…
君との一つ一つの思い出が
今この手紙を書きながら
頭の中に浮かんでくる。
くだらない喧嘩もいっぱいしたし
楽しかった日々も、全部覚えてる。
忘れたくない。忘れられない。
僕が死んだら、
この手紙を高岡君に託すつもりだ。
あと、僕の部屋の机の引き出しに
涼香へのプレゼントを用意してあるから
受け取ってほしい。
愛する涼香へ。
藤村涼太』
あたしは手紙を読み終わった後
涼ちゃんの部屋へ向かった。

