甘い香り

夜。

僕は涼香を部屋に呼び出した。

最初、涼香は頑なに口を結んで
話そうとはしなかったけど
やがて、小さな声でポツリと
「涼ちゃんと離れたくないから。」
と、言った。

僕はため息をついた。

「あのなぁ…涼香。」

「だって仕方ないでしょ!?
涼ちゃんの側に一番居て
涼ちゃんのこと一番解ってるのは
あたししかいない。
お父さんもお母さんも死んじゃって
叔父さんはそうそうこれる訳じゃない。
涼ちゃんを一人に出来ないよ…。」

涼香の目に、うっすら涙が滲んでいた。

僕はうっ、となった。

涼香の泣き顔には
めっぽう弱いのである。