そんなある日。

僕は何となく元気のない涼香に
声をかけた。

「涼香、どうした?」

「…ん、何でもない。」

「何だよ、隠し事か?」

「そんなんじゃないけど…。」

「言ってみ、力になるけど?」

「ううん、本当に大丈夫だから。」

涼香はそう言って、部屋を出て行った。