「はぁ〜」


吐く息は白く

頬を掠める風は身震いする程寒い


見上げると綺麗な星が輝いている真っ黒な冬の空


下を向くと小さな光が見え微かに車が行き交う姿が見える



「すぅ〜」



俺は大きく息を吸って


一歩踏み出す



ここは勤めていた会社の屋上


俺の手の中にはグシャグシャになった一枚の紙切れ


その紙には

“解雇通告”

と書かれてある



そう、俺は今日会社をクビになったんだ