私は準備ができても先輩のサックスを聴いていた。 「綺麗な音…どうしたら出せるんですか?」 「心が綺麗な人にしかだせないな〜」 私は先輩が吹くのを止めたから真面目に聞いたのに 先輩ゎそう言って笑った。 「ほら、教えてやるから早くしろよ」 意地悪な先輩だけど、やっぱり優しい。 「音、出してみろよ」 「はいっ!」 この日からみんながくるまでの5分が 私と先輩だけの時間になった。