何ヵ月ぶりだろ…。


「円香はね!えっと…そう、あんたがフラフラしてるから見張っときたいの!」

「保護者じゃあるまいし…」

「蕪木がフラフラしてるからでしょ!」


 フラフラねぇ…してるかなぁ…?

 ほんな意味を込めて祥次を見たら…

 何回も頷いて返してきた。

 …よし、しばらく無視けってーい。

 すーっと目を逸らす。


「おい!何で今目ぇ逸らした!?」

「俺にどーのこーの言う前に、女子トイレ入れるんだから追いかければ?」

「っ最っ低…!」


 祥次を無視して浅野に言えば、振り上げられた手。

 うわーパーかな…え、グー?

―ガツンッ

 頬骨にヒットした拳。

 そのままの勢いで俺は後ろによろけた。

 素手なのに何この威力…。

 そう言えば浅野って、空手で全国2位だったっけ…。

 ぼーっと考えてると口の中で鉄の味がした。


「いたー…口の中切った…」

「はあー…あれはお前の言い方がわりぃよ…」


 浅野は円香を追い掛けたのか、居なかった。

 相変わらず俺は注目の的だけど。

 まあ…気にしなければいっか。