蕪木 大和の欄には、『北沢高校』『推薦入試』の文字。
「大和…北沢に行くの…?
一緒に松一に行くって…約束したよね…?」
「川口と一緒に松一に行くんじゃなかったのかよ…?」
あー、驚いてんの…俺のことなのね。
そういえば言うの忘れてたかもしれない。
担任に言われてそのまま変更したからなぁ。
「言ってなかったっけ?
この前の三者面談で北沢なら推薦で行けるかもって言われたから変更したんだ。
北沢ならそこまで勉強大変じゃないし」
推薦で行けるんなら、推薦のほうが楽だしなぁ…。
小論文と面接だけだから勉強しなくて済むし。
あ、もしかして松一に一般で行くと思ってたから勉強しろって言ってきたのか?
でもまあ、全部教えなきゃいけないってわけじゃないし…。
「一緒に…松一に行こうって、約束したのに…!」
「けど一生一緒にいるわけじゃないし、別に高校違うくらい…」
「大和のばかっ!!」
そこでやっと円香を見ると、目に涙を溜めていた。
…泣くほどのことじゃないのに。


