「……」


わたし、何を期待していたんだろう。



保健室まで負ぶってもらっても。

今こうして
家までわざわざ自転車で送ってもらっても。


それでもお互い

出会った時から
わたしたちはいつだって背中合わせで。


ちゃんと向かい合えたことなんて一度もなくて。


そのまま反対方向に突き進み、今日まで遠ざかってきてしまった翔とわたしの関係が

今さらそう簡単に変わったり、交わったりする事なんてない。

近づく事すら出来ないんだって。


そんなのもうとっくに…、分かってた。


分かりきってたはず。


なのに……。