「――やぁっぱさぁ、修学旅行最後のお楽しみ!といえば“おみやげ”だよね!」




楽しい観光時間はあっという間に過ぎ
気づけば今日で修学旅行三日目。最終日。


クラスのバスを降りて、最後にわたし達がやってきた場所は、空港内にあるおみやげコーナー。

まわりは同じ北高生たちで溢れ返る中
広々とした店内をあさみちゃん達とグルグル見てまわる。


「加奈子、なに買う~?」

「う~んどれにしよう?いっぱいあって迷う…
あっ、これ可愛いー」


そう言って
何気なくわたしの目に止まったのは、棚にいくつも並べられていた色とりどりの小さなマグカップ。

特にその中にある薄いピンク色のが気になって、思わず手を伸ばした。


「かっわい~!
いーじゃんそれ!自分用のおみやげに買っちゃいなよ!」


わたしが手に持ったマグカップを見て
あさみちゃんも目をキラキラとさせてる。


…どうしようかな?
せっかくの修旅だし買っちゃおうかな?


買おうかどうか一人迷っていると突然後ろからヒョイと腕が伸びてきて、
持っていたカップを強引に取り上げられた。