修学旅行★幼なじみと甘いキス

思いもがけない春野先生からの言葉に、わたしは「!」と目を見開く。

そしてしばらくの間困惑していたものの、とうとう全てを認めたようにコクン…、とうなずき返した。


「…は、はい」

「そう。それは良かったじゃない。
これもあたしの愛あるアドバイスのおかげかしらー?」

「あのっ!春野先生はもしかして知ってたんですか?
わたしと翔がその、幼なじみっていう…」


“あなたはまだ若いし、そうやってイキがるのが悪いことだとは言わないけど。
…実際は立つのもやっとなくせに
そう何でも強がって意地張ってばかりだとね、
治さないでもいいところまで傷口が広がって、自分自身だけじゃなく、あなたの大切な誰かまで深く傷つけることになるわよ”


――だから今まで、
翔とわたしの関係に、他の人とは何か違う…どこか見えない壁があったことや

互いの気持ちと向き合うのが怖いがために、いつも傷つけ合ってしまっていたことを

春野先生にだけはなぜか全部、見抜かれていたような気がする。


でもそれはあくまでわたしの予感でしかなかったのか

そう尋ねるなり、先生はとたんに呆れた声をあげて笑った。


「ハハッ、…幼なじみ?
知るわけないじゃない、そんなこと。
あなたたち二人が従来の幼なじみだろうと、そんなんあたしにとっちゃどーでもいいし、興味すらないわ」

「……っ」

「……でもまぁ、しいて言うならそう。あの子とあたしは似ているから」


先生が、翔と…――?


ポツリと一瞬、少しの本音を垣間見せた先生に、わたしの肩がピクンと反応する。

そのままハッと目を見つめるわたしに、
春野先生は少しの間沈黙していたあと、側にあったタバコの箱を手に取り、フ…と小さく息をはいた。