直哉くん…――?!



「店で加奈子にきっぱりフラれたとき、俺も内心テンパってたっつうか、
その場しのぎで先ホテル行くみてぇなこと言ったけど…
実際、歩く気力もなかったつうか。
かと言ってここでひたすら落ちててもどうにもなんねぇし、仕方ねーからやっぱとりあえずタケ達とホテル向かうかってなって。
…たまたま公園の前を通りがかったとき
偶然お前と新垣が一緒に居んの見かけて」



そしたらそこで

加奈子とアイツが…抱きしめ合ってた。



今も、かたくなにわたしから背を向けたまま

ボソリとそう口にしてみせた翔の言葉に、心臓がドキッと反応する。



“俺が加奈子ちゃんを大切にする。だから俺と付き合ってください”


“もちろんそのときは、すぐにイイ返事はもらえなかったし、
何も言ってくれなかったんだけど。
なぜか急に気が変わったのか、ホテルへ向かう途中、とつぜん“分かった”って言ってくれてね”



! あ、あの時の…、