「もっちろん、来るに決まってんじゃん!
だってもし、直哉くんだけ来なかったら、部屋で一人ぼっちになっちゃうし?
ってゆーかその前に、加奈子がいるし!
だから絶対、会いに来てくれるって!」


最後はハッキリそう断言すると

あさみちゃんはこの時、
わたしがあの直哉くんも、
自分たちのいる部屋まで、わざわざ夜中にみんなと一緒に来てくれるかを心配してると思ったのか

大きく励ますように、わたしの背中をポンっとたたいた。


そしてすっかりウキウキが止まらないのか、
「♪」と笑みをこぼしながら、一人嬉しそうなあさみちゃんを前に

わたしは思わずこのとき、夕方のロビーで
幼なじみの翔に言った…あの時の会話を思い出した。


“それに…
直哉くんは翔みたく
いきなり人を夜中に呼びつけて
みんなに迷惑かけるような、そんな人じゃないから”


“何なんだよ。直哉直哉って。
そんなにそいつがイイわけ?
そんなに違うかよ。俺が、あいつと”


「……」




「――ってなわけで、加奈子!
今話したことは先生たちにはもちろん、他の誰にもぜーったいヒミツね!」


しばらくその事をひとり考えていると、
あさみちゃんがいきなり、真剣な様子でグイッと顔を近づけてきた。


そのまま人差し指を口の前へとくっ付けて、シィーッと立ててみせるあさみちゃんに、

わたしはひたすら瞳をパチパチと動かしていたあと
しばらくして、自分もぎこちなくこう頷きかえした。


「…あ、うん。
わ、分かった…――」