言われたとおり
急いで自分の席に着くと、隣ではすでにルーズリーフの紙を折って、千切っている翔。


そんな翔の姿をしばらく横でぼんやりと見つめながら

少しずつガヤガヤと騒がしくなる教室に

少ししてわたしも千切られた小さな紙を一枚手に取ると、ポツリと口を開いた。


「…翔」

「なんだよ」

「ありがとう…」

「……」


わたしの言葉に、翔は一瞬動かす手を止めたかと思うと

顔をあげてこっちを見たような気がした。


わたしは今も下を向いたまま、翔が破った紙にひたすら番号を記入しては、小さく折りたたんでいく。


そんなわたしを見て、翔は何かに気づいたのか、こう呟いた。