『望!迷わずにこれた?』
そう言いながら微笑みながら近づいてきた蓮さんに。
『・・大丈夫でした。』
そう言いながら、目線を外すとバックの中から頼まれた封筒を慎重に取り出すと蓮さんに手渡した。
・・笑顔で渡したかったのに。
引き攣ってしまった笑顔になった事が自分でもわかるくらいで。
その瞬間、ふわりと耳元あたりに気配を感じて―――
『望。また思い込みで一人で暴走するなよ。ちゃんと家で待ってて。』
鼓膜が震える位に甘い声で囁かれて
『はい。』
顔が・・
ううん。
きっと体全部が真っ赤に染まるのがわかった。

