『こんな所に女の子一人でいたら危ないよ!』



絶望の淵に立たされ最悪な事を考えていた時、
低い声の・・男の人の声がして、体が警戒体制に入りながらも反射的に声がした方に顔を向けた。




そこにはーー




グレーのスーツに身を包み、髪をワックスで綺麗に纏めた長身の男の人が傘を挿しながら私を見つめていたーー





『・・ぃぇ・・・だっ・・・大丈夫・・・ですから・・・』

ずっと泣いていたから、うまく言葉が言えない



『う〜ん。・・でも、こんな夜遅く雨も降ってるし、女の子が一人で泣いてるのは危ないよ。』



『ーーッ!』

見られた?!



泣き顔を見られない様に背を背ける。