惚れたもん負け 【 短編 】




『あの、武元君?』


『ん?』


『昨日のお礼がしたいの!』


そう。話かけた本当の目的は昨日あんなことがあって、心配してくれた武元君は私を家に送ってくれて。


『お礼??』


『うん!凄く助けてもらったから!』


正直動揺もしていたし、一人で帰るのも怖かったから安心出来たし凄く心強かった。


だから、お礼がしたかった。


『・・って・・いい?』


『えっ?・・よく聞こえなかった。』



『・・お礼って・・何でもいい?』


それは、何かを決心したかのようで。


『えっ?・・あ、うん!私に出来ることだったら何でも――』

いいよ。と答える前に―――










『じゃあ、俺と付き合えよ』