―― 次の日 ――
昨日はあれから落ち着きを取り戻した私を家まで送ってもらって。
あんな事があって、少しだけ武元君と顔を合わせづらい。
いつもは時間に余裕を持って登校するのに今日はいつもより遅い時間に登校した。
教室に入るドアから確認すると武元君の姿はもちろんあって、確認すると同時に昨日の光景がよみがえってきて胸がドキドキとうるさいくらいに刻み出す。
少しずつゆっくりと武元君に近づくと
『た、たたたッ、武元君!おっ、お、おお、おは、おはよう!』
私の声に気付いた武元君は、
『ああ。おはよう。つーか、“た”と“お”多くね?』
そういうと、私の顔を見て、ふわりと優しく温かな笑みを零した。

