『じゃあね~!明日からは私の事送っていくのと
美紗緒って呼ぶことは絶対ね~!ばいばい!』
妙なテンションの高さのこいつが教室から出て行った後
俺は口を制服の袖で一回乱暴にぬぐった
「くそっ…」
やられた…
ほんの数秒
それなのに激しい嫌悪感が俺の中に広がっていった
近づいてきたときの甘ったるい香水のにおいに吐き気がした
どうでもいいと思っていたものが
いつの間にか嫌いになって、許せないものに代わりつつある
その逆も然り
どうでもよかったものが
手放せないほど大切なものになっていた
そうか
これが、俗に言う「恋」というものだったんだ
…はっと我に返って時計を見ると
もう部活は終わっている時間
俺は春華を迎えに行った
そのあしどりは、いつもよりか数倍も重かった



