「綾・・・・・・なんかごめんね。うちのお父さんのせいで」
急に我に返り、言葉を探している綾に、私は謝る。
綾は、笑顔になり激しく顔を横に振る。
綺麗な色の髪が揺れて、いい匂いがした。
「何、言ってんのよ~!!大成功だもん。嬉しい!!でも、本当にこうなるとはびっくりだね」
綾も私も考えていなかった。
まさかこんな展開になるなんて。
そして、考えていなかった。
こうなった後のこと。
成功して、本当にふたりがくっついてしまったら・・・・・・
私と綾は今まで通りの関係でいられるの?
お父さん達にもいつかこの計画がバレてしまう。
時間の問題。
「バレるかな?」
「多分、一回限りでしょ?」
綾は、軽くそう言った後、ケータイ電話をじっと見つめた。