「鈴音!!やったよ!」 電話を切った綾は、ハイテンションで私の腕をつかんだ。 「今、たった今・・・・・・ホテル行ったって」 目の前が真っ白になった。 夢であって欲しいと思った。 綾は興奮しているからか、瞳が潤んでいた。 私も同じだった。 嬉しいのか悲しいのか、自分でもよくわからない。 きっと・・・・・・ 今、ひとりになったら、私も綾も倒れ込んで号泣していたかもしれない。 お父さんなんか大嫌いだ。 最低だ。 くずだ。 虫けらだ。 汚い。 もう知らない。 佳世さんがかわいそうだ。