「いいんだけど!!お前がここに来ないってことは、お前が泣いてないってことだから、それでいいんだけどな。お前がここに来る時は、辛かったり悲しかったりする時だろ」
「今日は泣いてないよ!ちょっとドーナツが食べたかっただけ」
私は鞄の中から、2つのドーナツを取り出した。イチゴ味とチョコ味のドーナツ。
「あげる」
私はチョコ味のドーナツを無理やり、拓登の口に突っ込んだ。
「ぶはっ!!突っ込みすぎ」
「ははは。口にいっぱいチョコ付いてる!!拓登のばか~」
大笑いをする私。
もうひとりの私が、どこかで私を見ているようだった。
笑ってるよ、鈴音。
今、心からあんたは幸せなんだよって。

