「で、鈴音!!何があった?」 いきなり鈴音とか呼び捨てだし…… だから私も。 「呼び捨てすんなよ!拓登!!」 「ははは!うるせー!鈴音!」 「うるさい!!たっくん!!」 「その呼び方だけはやめてくれ。たっくんてキャラじゃねぇから」 また。 また私は笑った。 笑うことなんてできない状況の中にいたのに、私はコイツの前だと笑うことができる。 「話したくなったらまた来いよ」 立ち上がった拓登は、パーカーのポケットに両手を突っ込んで近付いてくる。