行くあてなんてない。
この辺りに友達もいない。
でも、あんな気持ちの悪い空気の家には居たくない。
後から入って来たのはあの女なのに。
どうして、私が邪魔者扱いされなきゃならないの。
何の為に生まれてきたんだろう。
私は今、誰の為に生きてるんだろう。
誰にも必要とされず、自分自身からも愛されていない私……
生きている意味があるのだろうか。
鞄の中には、3000円の入った財布と携帯。
英語の教科書と、手帳。
体操服のジャージの下、メイク道具。
これっぽっちで、何日家出ができるだろう。
きっと明日の朝にはこの家出は終了する。
私は無力だ。
弱い。
何もかも捨てて、どこかへ消えたいのにそれすらできない。

