キミがくれた光





帰りたくない我が家に、ゆっくりと帰る。




だいたいわかる。



エッチした後の部屋って、わかるんだよ。


うざいくらいに、漂ってる甘い空気。


何よりも佳世さんの顔つきが違う。


いつもそうだ。




気持ち悪い。



高校生をガキ扱いするなら、ガキのいる家庭で、変なことすんじゃねぇよ。







―ピンポーン




鍵を持っているけど、絶対にチャイムを鳴らす。



何度も痛い目にあってるからもう懲りた。



自分で鍵を開けて家に入った時、佳世さんのあえぎ声とか聞こえてきたら、死にたくなる。



嫌味ったらしく『ただいま』って大きな声を出してたり、扉に向かって鞄を投げつけたりしたけど、効果はない。





私がいない時間=2人のエッチの時間。





だから、絶対にチャイムを鳴らして、誰かが鍵を開けてくれるのを待つ。