まだ9時半。 10時になってから帰ろう。 私は駅前のドーナツ屋でひとりでお茶を飲み、携帯のメモリーの整理をした。 過去の男のアドレスをずっと残してしまう悪い癖。 窓ガラスに映る自分を見て、顔がないと思った。 どこにでもいる女子高生。 個性もない。 同じ髪の色、 同じメイク、 同じファッション。