―高校生活―




学校で唯一本音を言える相手、坂元綾。




「あや、おはよ。昨日、あいつと別れた」



「鈴音、朝から冗談キツイって」





綾とは、同じ“サカモト”だった。


入学式で隣の席だった綾と仲良くなった。






「あいつ、浮気してたんだ。てか、笑うけど……本命は別にいて、私が浮気だった」



「ありえないって。鈴音のことあんなに束縛してたのに。それ、マジで?」






笑って話していることは不思議だけど、今日は涙が出なかった。




失恋なんかよりももっと辛い自分の現実と向き合ってしまったからかもしれない。




それとも・・・・・・


天使のような悪魔のようなあの少年が私の失恋の傷を癒してくれたのだろうか。