高校に行くことができたのは、奇跡的だった。 お父さんの同級生が塾の先生をしていた。 私は無理やり勉強させられた。 合格祝いにと、その男は私をホテルに誘った。 まだ中学3年の私を。 でも、それが現実。 それが、私が生き抜いて行かなくてはいけない時代なんだ。 鞄投げつけて、背中を全力で蹴っ飛ばして帰って来た。 お父さんに言い付けるのも嫌だったので、誰にも言ってないけど。 大人って汚ねぇって心底思った。 一生懸命勉強を教えてくれていると思っていた。 だから、私も少しだけ努力した。