「遠回りしたけど、ようやく自分の気持ちがわかったんだ。俺の居場所は、鈴音の隣だってこと」
あの夜、涙を流しながら聴いた拓登の歌声。
名前も知らない私に温かい愛をくれた。
「ドン引きすること言っていい?」
私は、寄り添う拓登の横顔にそっと唇を近づけた。
「何だよ」
「私、処女なの」
「それ、マジ?すっげー嬉しいんだけど!!!」
「引かないの?」
「引くわけないじゃん。嬉しい!俺が最初で最後の男になる」
「拓登・・・・・・」
「じゃあ、今から処女をいただきます」
「やだーーーー!こんなとこじゃやだ」
「こんなところでしねーよ!ば~か」

