怒鳴っても無駄だよ?拓登の声は優しいんだから。 「鈴音・・・・・・ どうしてここに・・・・・・いんだよ」 しゃがんだ私の上に覆いかぶさる拓登は、あの頃と同じ匂いがした。 「な・・・・・・んでだよ。おい、鈴音・・・・・・」 拓登・・・・・・ 泣いて・・・・・・る? 「拓登、ごめんなさい。ごめんなさい・・・・・・」 「ばか・・・・・・」 雪が降りそうな寒い夜。 バレンタインの夜。 私は生まれて初めて、体が溶けるほどの幸せを感じた。 拓登が、そっと私にキスをした。