ドーナツ屋の裏通り。 甘い匂いの中を歩く。 冷たいマンホールの上。 ハンドタオルを置いて、腰掛ける。 もう空は暗くなっていた。 見つめる先には、また缶コーヒーが置かれていた。 かすかな希望。 どこからか優しいギターの音色と歌声が聞こえてきた。 気がつくと私はその声の主を探していた。 ドーナツ屋の前の噴水。 人だかり。 2人の男性がギターを弾きながら歌っていた。