「お前はかわいくないことばかり言うんだな」



お父さんは、とても憎らしそうにそう言って、ビールの缶をゴミ箱へ投げた。





邪魔なんでしょ?

知ってるよ。




私の帰りが遅い日は、お父さんは佳世さんと2人きりで楽しんでいるんでしょ。


だから、佳世さんはご機嫌に鼻歌なんて歌いながらお風呂に入っているんだ。





この狭い家の中では、いくら声を殺しても聞こえてしまう。


2人が夜中にSEXしていることだって知ってる。




邪魔だったらそう言えばいいのに。


いくらでも夜遊びしてやるのに。





別にここが自分の居場所だなんて思っていないから。






「家出してやろうか?私が邪魔なんだろ?」




こういうことを言う自分がとても嫌いだった。



でも、それを聞いたお父さんの顔はもっと嫌いだった。





汚いものを見るように。


軽蔑のまなざしで私を見る。