「元カノに会いに行ったかどうかも知らないくせに」
綾は、からかうような呆れたような口調だった。
「絶対会ってる。てか、付き合ってるよ」
「私から言わせれば、女って切り替え早いから、元カノは確実に次の男ができてると思うよ。過去を忘れるには新しい恋って言うじゃん。だから、鈴音の好きな拓登君は、フラれて落ち込んでるんだよ。そんな時にそばにいてあげないなんて、冷たい女だね~、鈴音は」
綾の言葉に説得力がありすぎて、想像してしまう。
フラれて泣きべそかいた拓登。
あの場所でひとり寂しく歌ってる拓登を・・・・・・
「そんなこと言われると・・・・・・」
「何?後悔してんの?」

