保健室の先生が、そろそろ教室に戻りなさいと言ったので、私と綾は、はーい!!と返事をして、そのまま校門に向かって走った。 「今日くらいいいでしょ?」 「全然OKだよね~」 最近真面目だった私だけど、綾と一緒に学校を抜け出した。 1人で家に帰るのが不安だという綾と一緒に、綾の家へと向かう。 「おっさんに支えられてたんだね、綾は」 「で、鈴音は、誰に支えられてたの?全然話してくれないけど」 駅から綾の家までの間、私は宝箱をゆっくりと開くように、拓登のことを話し出した。