「おっさんも綾が好きなんだよね?」
「さー、どうだろ。若い子が好きなだけかもね」
綾の表情はすっかり昔に戻っていた。
ホッとした。
大丈夫。
そう簡単に妊娠なんてしないよ。
この数週間の間、綾を支えていたのは、ただひとり・・・・・・おっさんだった。
私も支えることができなかった。
おっさんが支えていた。
「鈴音に嫌われたかなって思ってたんだよね。だって、鈴音は何だかんだ言って、お父さんのこと好きでしょ?だから、うちのお母さんと寝たなんてショックだっただろうなって思ってた」
「綾・・・・・・ 私も同じこと考えてた。綾は実のお母さんだし、うちのお父さんのこと絶対軽蔑しただろうし、その娘の私のことも・・・・・・って心配だった」
本音を言い合った私達は、まだ仲良くなれるだろう。

