「どうしよう」
とうとう涙がこぼれた綾。
綾は、思ったよりもあっさりと私の言葉を信じてくれた。
「私、お母さんにひどいこと言ったよね・・・・・・」
「親子だもん。話せばわかってくれると思うよ」
綾の悲しい表情は、本当に綾のお母さんに似ていた。
親子だもん。
わかってくれると信じてる。
「それに・・・・・・ 私、どうしよう」
「どうしたの?」
「おっさんと計画立ててたんだけど、今日おっさんがお母さんの彼氏の職場を探しに行ってるんだ」
「大丈夫だよね?何もしないよね?」
「多分・・・・・・」
綾はずっとおっさんの家にいた。
「おっさん、悪い人じゃないよね?綾のこと大事にしてくれてるんでしょ?」
「うん。でも・・・・・・水かけたなんて言わなかった。私と鈴音のこと、悲しませたかったのかな」

