―親友―



「綾に会いたいな」



ボソっと呟くと、帰る支度をしていた拓登が、私の耳元に近づいた。



「お父さんに聞けば?」



「そんなことしたら計画したことバレちゃうでしょ」



ニヤリと笑う拓登。



「俺、話しちゃった。お父さんも別に怒ってなかったよ。ちょっと呆れてたけどな」



「嘘でしょ?拓登のバカ!!」



「いいだろ?隠し事や嘘がない方が、生きていくのが楽だから」





拓登の言葉には重みがあった。

本当だ。


さっきよりも心が軽くなっている。



隠し事や嘘があると、疲れる。