―幸せな朝食―





早く知らせたかった。


綾に。




綾はまだ誤解しているかもしれない。




綾のお母さんはちゃんと綾のことを大事に想っているんだよ。



綾のことで悩んでいたんだよ。




早く、知らせてあげたいと思った。








「おはよう」



テーブルに座った拓登が、爽やかに微笑む。


パジャマ姿の私は急いで服に着替えた。




「何、仲良くなってんだよ」




私は拓登の向かい側の席に座るお父さんと拓登を交互に見ながら、そう言った。




内心嬉しいくせに、怒ったフリなんかして。