「悪かった。本当に・・・・・・ごめん。そこまで鈴音に辛い想いをさせてしまっていたとは」
目に涙が浮かんでいるようにも見えた。
「本当に、信じてはもらえないと思うが・・・・・・俺は、亡くなった鈴音のお母さんを今でも愛しているんだ」
また嘘だ。
そんなわけない。
すぐに彼女作ってたじゃん。
「それも嘘だろ?」
「嘘じゃないと言っても信じてもらえないと思う。それだけ俺はひどいことをしてきたから。でも、最初は本当にただ寂しくて、鈴音のお母さんのような人を探していた。でも、そんな人はいなくて、俺は必死でいろんな女性と付き合った。どこかにいるんじゃないかと・・・・・・そう思っているうちに、どんどん最低な男になった。でも、今でもまだお母さんのことを愛している」
嘘だよって言いたかったけど、あまりにもかわいそうに思えて私は黙っていた。
拓登も黙ったまま、じっとお父さんを見ていた。

