―意外な展開―



「鈴音が友達を泊めたいなんて初めてじゃないか」



玄関先で機嫌良く迎えてくれたお父さん。



友達が男だと知り、ちょっとびっくりしたようだったが、今さらだめだとも言えないだろう。




「今までいつもお父さんの彼女がいたじゃん」




小声で愚痴る。


拓登は、私の背中を叩く。



「こら」


「だって事実じゃん」



お父さんに聞こえないように、2人でコソコソ話す。




「イメージと全然違うお父さんじゃん。かっこいい」




「そう?軽い男だよ」





そんなことを言いながらも、褒められるとやっぱり嬉しかった。




やっぱり、私はお父さんのこと、嫌いにはなれない。




たったひとりの家族・・・・・・だもん。