拓登は、毎日勉強に明け暮れていると話してくれた。
自分で自分の道を切り開く為。
親に敷かれたレールじゃなく、自分で作った道を歩く為に。
私も何か頑張ろう。
せっかく、恋をしたんだから。
拓登と出会ったことで、自分の人生を変えてみたい。
「私も何か頑張りたい。目的なく生きてるのが虚しいよ」
「俺だって目的なんてねーよ。ただ親に反抗してるだけ」
「でも、勉強頑張ってるじゃん」
「何をすればいいかわかんねーんだよ。音楽で食っていけるわけもねーし、今は道を広げる為に勉強するしかない」
「その考えがすごいんだよ」
「俺に惚れてんの?」
「ば~か」
こういうふざけた会話が心地良い。
心の奥底にある“好き”って気持ちを隠して、友達を演じる。

