「でもお父さんを殴ったんでしょ?帰ったらどうなるんだろう」
「殴られるかもしれないけど、親父もバカじゃないから。子供に暴力振るってるなんて噂が立つとまずいだろ。アイツの頭ん中は、世間体ばっかりだから」
とても寂しい横顔。
あきらめたような、何かを悟ったような。
悲しい顔。
「お前と話してたら落ち着いたよ。頭下げて謝るしかねーな」
「そんなの・・・・・・辛すぎる。拓登悪くないもん!!拓登、謝ることないよ!」
「はは。何、怒ってんだよ。大丈夫だよ。口先だけで謝ることには慣れてるから」
想像してみる。
拓登がお父さんに謝っている姿。
いつの間にか涙がこぼれていた。
悔しい。
悔しいよ。
拓登、何も間違ってない。
誰だって、傷つくよ。
誰だって家出するよ。
そんなことされたら。

