拓登が泣き止むまで、肩を抱いていた。
「ごめんな・・・・・・鈴音」
信号が何度も青になり、
赤になり、
また青になった。
拓登は涙を拭き、大きくゆっくりと息を吐いた。
もう泣いてはいない。
でも、瞳の中の涙は残ったままで、信号の色が変わるたびにキラキラと輝いた。
「最近、会ってなかったな。お前と」
無理して笑った拓登の顔が、切なくて、胸が締め付けられる。
「久しぶりだね」
「夜に出かけようとすると、いろいろうるさくてさ。鈴音、俺のこと待ってただろ?」
「待ってねーよ」
強がってみる。
でも、拓登にはお見通しで。
「寂しかったって顔に書いてあるぞ?」
ニヤっと笑った拓登。
無理しないで。
何があったの?

