涙が溢れてきたけど、我慢してお茶を飲み干す。
泣いたら負けだ。
お父さんが急に変わるはずがない。
きっと何か魂胆があるはず。
「どーでもいいけど」
私は乱暴に立ち上がり、自分の部屋のベッドに寝転んだ。
涙が止まらなかった。
初めてだよね。
お父さんが、私の気持ちを考えてくれた。
悔しいけど、お父さんへの憎しみは消えていた。
何があったのかはわからない。
ただ佳世さんがこの生活に疲れただけかもしれないし、お父さんの言った言葉が本音がどうかもわからない。
でも、嬉しかった。
私がここにいてもいいんだって思えた。
私は、家族なんだって。
そう言われた気がして、涙が止まらなかったんだ。